MicroCADAM Helixが廃版となり数年間OSへの変更対応、新バ-ジョンの更新が絶えました。今世紀初頭の発表でIBMMicroCADAMのサポ-トを突如停止すると発表した時のユ-ザ-の怒りは大きなものでした。おそらく2次元のCADの競争が厳しくなり価格も廉価なものが続々と出始めたため。IBM社員の高給では採算が悪くなり、一桁販売価格が高いCATIAにMicroCADAMの顧客を移動させようと目論んだようです。結果的には、MicroCADAMの顧客は散逸し、IBMの目論見はあまり成功とは思えないようでした。それがまた突然なぜ、またMicroCADAMの開発にとりくみ始めたのかはわかりませんが、ちょつと再開の時期が遅すぎたように思います。十数年感の空白期間は長すぎた。この間、OSだけはどんどん進化を続け、サポ-トを止めたMicroCADAが動くパソコンは無くなった。顧客が大多数逃げたのは無理もない。でも高価で使い慣れたCAD,歳とったユ-ザは簡単には移行できずだましだまし使い続けた。当時の価格で、オプション入れると300万近い高価なCADには愛着もあったのでしょう。それとファンクション鍵盤に慣れた人は、なかなか他のCADへの移行は大きな抵抗があった。(あの当時、オプションのDXF変換が20万、ベクタ-フォントもオプションで何万、プロッタの出力ドライバ-RPDもウン万?忘れたが。今思うと、IBMのぼったくり価格だったように思う。それとPS55のパソコンも高かった。OS/2やDOSのパソコンが確か300万前後。TTLのカ-ドが3~4万くらい、キ-ボ-ドなんかも2万弱………….) ここで紹介される新しいHELIXのメニュ-は、そんなV3.18BやV5.2Rに親しんだ人には目をみはる新機能と映るか、そんなもの要らんわ、と捉えられるか。
いずれにしても、今の最新のWin10 OSに20年前の3.18BやHelix VV5R2をインスト-ルして使うにはある程度のパソコンのスキルのある人でないと使えなくなってしまった。もともとMicroCADAMの設定にはある程度のスキルが必要であったが。驚いたことに、設定に関しては、当時の困難さを維持してしまったことだ。設定を、いまなお、UnixとかいろんなOSと共通で出来るようにするにはWinに依存した設定にすることが出来なかったということかな。(WebserverのAppacheも似たような方法で設定をする)
順序が逆になったが、IBMかMICRO CADAMの3Dを再販売せず2Dにしたのか大きな疑問がある。2Dと3Dと両方の今のOSに適合したものを販売してもよかったのに。3Dはv4.3で終わった。私は触ったことがないが、当時の口コミではなかなかの出来だったと言われている。両方の再開発をするほどのリスクを取りたくなかったのか。あるいは最近ではニッチとなってきた2D市場なら勝てるとふんだのか、あるいはものづくりの現場から2Dの要望が大きかったのか。門外の私には全く分からない。
現在ミドルクラスの3DCADの市場ではソフトの数がいくつあるのか分からない程沢山ある。そのなかには無料のものもいくつかあるようである。クラウドで動かすものとか。シェアではAutocadが先頭をきっているようである。日本市場のCAD CAM CAEとうを含めると推定4千億くらいとか。そんなには大きくないなという印象。機械系のCAD使用率が一番高いようである。今どき製図板を用いて設計している現場を見たことがないから、それはうなづける。機械系の2D CADの特徴は、製作図の豊富なメニュ-にある。長い歴史をもつので、いたりつくせりである。今の設計者の大半は、ドラフタ-で作図した経験が無い人ばかりである。かなりの長期の経験者はなかなか3Dには飛び込めず、使い慣れた2Dを使い続けているようだ。職人には何十年も使い続けている道具を変更しろと言われても、手足のような、意識せずに使える道具の変更は、かなり勇気がいる。納期のこともあるし、デ-タ-の互換性もあるから、いきなり変更したらしばらく仕事が進まない。完全に納期に間に合わない。イメ-ジの感覚もかなり異なるから、設計の品質も落ちる。
話が本論からずれてしまった。
HELIXの64ビット対応版を触ってみて、一番大きな効果は安定性かな。さすが6ビットOS、うちの2台のワ-クステ-ションのパソコンはいずれもメモリ-16GB、ビデオも4GBと2GBなので、一昔前のパソコンと比べれば、桁違いのスペックなので滅多なことではフリ-ズはしないが、モニタ-を3画面、5画面としているので、そちらにややUSBで馬力を取られるようで、それを除けば快適なんだが、DXFの変換をした時にフリ-ズすることが無い。以前の32ビットのHelixだとDXF変換、一度に沢山のファイルを変換すると時々フリ-ズすることがあったが、64ビットではそんな心配は無いようだ。後、変換精度もかなりよくなっているようだ。いろんな要素の属性をいちいち確認してないので、属性までの変換精度はよく分からないけど、見た目の精度は、変換しても全く変わりが無い。勿論昔のような、フォントが崩れるとか、注記のサイズが変ってしまうとかいうことは皆無のようだ。おまけでDWGも変換出来るようだ。
後、簡易出力が復活したようだ。3.18BにあったのがHelix V5R2m1では無くなってしまったのだが又戻したようだ。その他ビジュアルファイルのPDF変換とかが簡単に出来るようになった。昔のV5R2でも出力機種にPDFドライバ-を登録とかあるいは常時出力のプリンタ-をPDFにしておけば同じことが出来るのだが、そんな設定をしなくても出来ることになった。
続く 後日…..
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